ネット中傷が年々拡大するその歴史と背景について説明します。

年々拡大するネット中傷

ネット社会が拡大しているイメージ
ネット中傷は年々拡大していて、最近では個人をターゲットにした炎上騒動や、個人同士のトラブルで裁判に発展する事例も増加しています。
ネット中傷が拡大した背景には、スマホやSNSの普及によるネット社会が拡大したことが関係しています。

 

取り締まりや規制を強化する動きもありますが、ネットの市場規模が非常に大きく、コンテンツも多様化しているため、安全にネット中傷できる環境が多いのも現状です。
加害者側になっている方は、今後確実に規制が強化されていくので、安易な投稿・書き込みは控えるようにしてください。

 

ネット中傷の歴史

ネット中傷は家庭向けインターネットや携帯電話・PHSの普及した90年代から存在していました。
当時、多く見られたのが非通知発信のメールを使ったやりとりでした。
その後はブログへのコメントによる誹謗中傷や、2chをはじめとした匿名掲示板を使った誹謗中傷が増加していきます。
2010年前後には「炎上」というワードが登場して、SNSなどを通じて不特定多数の人が束になって誹謗中傷する行為が加速していきます。

 

これまでの歴史を簡単にまとめると以下の順番でネット中傷のターゲットが拡大していきました。

 

連絡先を知っている身内

ブログなどの投稿者

2chなどを活用した勤務先の上司や利用する店舗

掲示板やSNSを活用した有名人

SNSによる個人

 

Facebookのユーザー離れとTwitterのサブアカ保有者の増加

最近複数のアカウントを活用する人が増えたTwitterのロゴ
SNS人気の火付け役になったFacebookは実名を使い、閲覧者を限定できる機能があったことから、比較的安全なツールでした。
しかし、最近ではFacebookのユーザー離れが進んでいて、相対的に増えたのがTwitterの複数アカウント活用者です。
コロプラが行ったアンケートでは10代女性の7割がTwitterのサブアカウントを保有。電通のアンケートでは女子高生は平均3~4個のTwitterアカウントを持っているデータを公開しています。

 

つまり、匿名投稿を目的に友人などに見られたくないアカウントを持つことが現代では当たり前になっています。
もちろん趣味に関連した内容や、身近なニュースへの反応ばかり投稿すると身内の印象が悪いといった誹謗中傷以外の目的でサブアカを活用している人も多数います。
しかし、サブアカを持っていると魔が差した際に軽い気持ちで誹謗中傷の投稿をしてしまいやすくなります。
SNSの活用方法に変化があるのも、ネット中傷が拡大している要因です。

 

ネットコミュニティが活発になった

一部のテレビ番組ではTwitterの投稿をリアルタイムで投稿する機能が付いています。
ヤフーニュースのコメント機能を活用する人も増えていて、コミュニティが広がったことで投稿しても一切の注目を集められないことが増えていました。
ネットの投稿は最初に投稿した人や、多くのいいねを集めたコメントに注目が集中する特性があります。
自分の発信した情報に対してのリアクションを得るハードルが高まったことで、ありきたりな内容よりも誹謗中傷の内容で注目を集めようとする方が増えています。

 

今後はネット中傷が減っていく可能性も

ネット中傷はインターネットの普及以降右肩上がりで増加をしていましたが、最近では個人の投稿者が損害賠償請求を受けるなどの事例が増えていて、学校でもネット中傷をしないような教育が増えています。
一部ではネット中傷の書き込みをした人を叩くコミュニティも登場していて、加害者側のリスクが高まっていることを多くの人が認識しています。
無法状態だった平成の時代から変化を遂げていて、令和の時代ではネットで誹謗中傷する行為が時代遅れのものに認識されるようになっていくかもしれません。

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